オールローズギター⑥完

長きにわたってご紹介をして参りました、

デジマートマガジンさんの人気連載とコラボレーションさせていただいた、

私のオールローズギター企画。

 

今日は最終回と言うことで、

完成したギターをじっくりと考察させていただこうと思います。

 

その前に、あらためておさらい。

 

まずは企画元であります、デジマートマガジンさんのコラムがこちら。

木材~トーンウッドの知られざる世界 第33回「特別企画!昭和の1枚板ローズウッドからオールローズギターを製作販売する!」

木材~トーンウッドの知られざる世界 第34回「完結編 夢のオールローズギター完成!」

 

本ブログでも過去5回に渡って、製作の様子を詳細にご報告させていただきました。

オールローズギター①

オールローズギター②

オールローズギター③

オールローズギター④

オールローズギター⑤

 

まだご覧になられていない方は、

お時間ある時に是非ゆっくりとご覧ください。

 

 

それでは、あらためて完成したオールローズギターをご紹介させていただきます。

Y.O.S. オールローズTetra

スペックは以下の通りです。

 

・ボディ・ネック・指板・ピックガード:昭和のイーストインディアンローズウッド1枚板からの切り出し材

・スケール:648mm(25.5インチ)

・フレット:22フレット(ステンレス/ミディアムハイ)

・ナット:ノンブリーチボーン

・ペグ:GOTOH SD90 MG-T

・ブリッジ:Callaham Vintage S

・ピックアップ:Y.O.S.オリジナル Smoggy Single Coil×3

・コントロール:1Vol.1To.5Wayセレクター

・ノブ:HATA カスタムアルマイトカラーノブ

・フィニッシュ:オールニトロセルロースラッカー

・重量:4.2kg

 

ギターの詳細については、

デジマートマガジンさんのインタビューでも熱く語らせていただきましたので、

是非そちらもご覧ください。

 

以下は、製作者としての視点で、

完成したオールローズギターについての純粋な感想をまとめてみたいと思います。

Y.O.S. オールローズTetra

目指したのは「鳴るオールローズギター」。

 

どんなに貴重で見た目が素晴らしいローズウッドを使っても、

音も魅力的でなければ楽器としての価値がありません。

 

設計時は随分と悩みましたが、

計算の付かない部分がある材なだけに、

私が最も得意とする3シングルピックアップのスタイルで、

オールローズギターを仕上げてみることにしました。

 

通常ローズウッドは重く硬いですから、振動性はあまり良くありません。

実際過去私が触ったことのあるオールローズギターの中には、

ブーミーな部分ばかりが前に出てしまうものもありました。

 

そこで、ステンレスフレットやチタンロッド、カラハムブリッジ等、

ブライトでクリスピーな成分を持つパーツを積極的に採用し、

ローズウッドとのバランスを図っています。

 

嬉しい誤算だったのは、

支給いただいたローズウッドの材質が本当に素晴らしかったこと。

 

オールド材なだけに、乾燥具合が素晴らしく、

また通常のローズウッドの加工でやっかいな油分も全然感じません。

タップトーンの響きも良く、

ローズウッドの中ではかなり鳴りの良い個体であろうことも加工中に確認が出来ました。

Y.O.S. オールローズTetra

その音を拾って出力するのは、

当工房のオリジナルシングルコイルピックアップ。

 

楽器本来の音を、出来るだけ余計な色付けせずに、

ストレートに出力することを目指して開発したピックアップです。

 

その中で、伝統的なシングルコイルの弱点である、

各弦の出力バランスの悪さを改善し、

耳に痛い成分が前に出ないようなアレンジも加えた自信作です。

そうして完成した楽器は、

私がこれまで経験したことの無いサウンドを聞かせてくれました。

 

オールローズとは思えない程良く響くギターです。

タイトな低音と魅力的な倍音がバランスよく共存しています。

 

ところが不思議なことに、

オールローズらしいナチュラルコンプレッション感と、

ロングサスティン感はしっかりと得られます。

 

特にアタックからサスティンまでの自然なつながり方は、

一般的なボルトオンギターではまず得られないものを感じました。

 

表現はチープですが、

私がこれまで手掛けた楽器の中で、最も「万能」かもしれません。

 

耳に痛い成分はほとんど感じませんので、

3シングルギターではありますが、

しっかりと歪ませて使っても良い仕事をしてくれそうな予感。

サウンドと共に、

私が楽器作りで特に重視する「演奏感」。

 

こちらは弾きやすさを保証します。

 

ネックの成形やフレット周りの仕上げ、ナットの成形まで、

時間をかけて丁寧に仕上げています。

 

どんな方の手にもすぐ馴染むよう、

時間をかけて丁寧に作業をさせていただいています。

ネックはローズウッドの木の質感や温度まで感じられるよう、

薄いサテン仕上げにしています。

 

これにはネックの振動を妨げ過ぎないようにする効果もあって、

楽器全体の鳴り方に大きな影響があります。

 

演奏性も振動性も良し。

このギターにとっては理想的なフィニッシュと言えます。

Y.O.S. オールローズ

こうして無事完成をいたしましたオールローズTetra。

 

昨今のローズウッドにまつわる希少性や、

この木に関わってこられたいろいろな方の想いを感じながら、

私自身素晴らしい経験をさせていただきました。

 

この仕事をしていると、

楽器の完成イコール、

その楽器とのお別れを意味します。

 

このギターは現在、企画者でありますFINEWOODさんより販売されています。

販売ページはこちら

西東京で試奏も可能ですので、

眺めてよし、弾いてよしのこのギター、是非一度お試しください。

 

もちろん、ギター自体は当工房の作品でございますから、

今後のギターのケアにつきましては私自身が責任を持ってしっかりと対応させていただきます。

 

 

そしてこのギターの製作を経て、

私のギター製作意欲の高まり方がやばいです。

作りたいモデルが夢に出てくるくらい。

 

2018年のY.O.S.ギター工房の製作モデルにご期待下さい。

 

でもその前に、修理が山ほど・・・・。

頑張ります。

 

オールローズTetra良いオーナー様に巡り合えますように!

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静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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