フレット交換の実例2 : メイプル指板の大型カスタマイズ

新年の抱負で、

「今年は地に足付けてどうのこうの」って言ってたくせに、

突然かかってきたラジオ局からの出演オファーに即答でOKしてしまった私。

というわけで、

今朝は初めてのラジオ出演(寒さに震えながら電話してただけですが・・・)

楽しませていただきました。

 

 

 

朝のお忙しい時間にわざわざチャンネル合わせてくださった方々、

ありがとうございました!

 

 

さぁ今日もまたフレット交換の1例をご紹介。

その内容はフルコースのカスタマイズ付きです。

 

お預かりしたのは、購入したて、ほぼ新品。

ホワイトブロンドカラーにアノダイズドゴールドピックガードという

Fender Japanのストラトキャスター。

 

ネックはメイプル1ピース。

フェンダー社お得意の伝統的な構造ですが、

現代のギターシーンの中でその弾き心地はやや極端で、

好き嫌いが出やすい仕様です。

 

今回のご依頼は、

このビンテージタイプネックを

モダンなネックに変えたい!

というもの。

 

ご相談の結果、以下のカスタマイズを行うことになりました。

  • 指板表面のRを7.25インチから12インチに変更
  • フレットをビンテージサイズからミディアムジャンボサイズに変更
  • フレット数を21Fから22Fへ延長
  • ポジションマークを黒から白蝶貝へ変更

もはや、「どうしてこのギター買ったの・・・」ってレベルですが、

ご依頼主、このギターの見た目が気に入っちゃったからしょうがない。

 

作業の様子をご覧ください。

まずフレットを抜き、

大胆に21F以降の指板部分を切削しました。

切削した部分に、ネックからはみ出すように新しい木を接着。

素材はもちろん、ネックと同じハードメイプル材です。

 

乾燥後、

接着した部分に22Fの溝を切り、

全体を12インチRに整えたのが上の写真の状態です。

 

その後は主に美観面の仕上げを行い、

新たにサイズの異なるフレットを打ち込みました。

あ、忘れてました。

 

フレット打つ前に、ポジションマークを白蝶貝に変更しています。

これだけでかなり雰囲気が変わりますね。

 

その後フレット打ち。

ここまで行くと、

指板の延長も目立たなくなりますね。

 

この後は塗装。

 

前回のブログ記事とは違い、

今回は塗装もフルコース、

グロス仕上げを行いました。

 

楽器全体がほぼ新品状態ですので、

指板もカスタマイズの痕が出来るだけ見えないよう、

美しい仕上げを目指します。

 

その後フレットに乗った塗料の除去、

フレットエッジの仕上げ、

フレットのすり合わせ、

ナット交換等を経て

組みあがったギターがこちら。

トラッドなストラトキャスターも

22フレットになるだけで、だいぶモダンな印象に変わりますね。

 

ネックのセッティングが大幅に変わりましたので、

全体のセットアップは全てやり直しています。

 

今回のご依頼、

大幅なカスタマイズ内容でありながら、

私の目標は「カスタマイズしたように見えない」こと。

 

ネック側面をご覧ください。

フレットの為に切られているはずの溝が

全然見えませんね。

リフレットされたギターのほとんどは、

この部分の塗料が一旦除去されるので、

それがフレット交換された感を強く醸し出します。

 

それを避けるために、

フレット溝を埋めていたパテやその上の塗料は

そのまま生かすような作業方法をしてみました。

指板の形状を大幅に変更していることもありなかなか大変な作業ですが、

やってみて良かったです。

 

 

次回のブログは、

フレット交換シリーズ最終回。

よだれ物のビンテージギターの登場です。

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静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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