マホガニー72シンライン復刻企画 その2

Y.O.S.ギター工房は

年内28日までの営業となります。

(最終日28日は楽器のお預かりは出来ません)

 

27日は終日きくがわ楽器店頭に出ております。

基本的なセットアップやクリーニング、

ポットやジャック等の簡単なパーツ交換でしたら

店頭その場でご対応も可能ですので、

年内最後のギターメンテナンスに、是非ご来店下さい。

(お預かり修理の場合のご返却は年明けとなります。)

 

 

さぁ、こちらは無事納品を済ませることが出来ました、

Fender '72 Telecaster Thinlineの

マホガニーボディ復刻企画。

その完成までをご覧下さい。

写真では分かりにくいですが、

ほんのり飴色に着色されたマホガニーボディは、

ラッカークリアを吹き付け乾燥、

そしてご覧の通りのグロスフィニッシュとなりました。

 

左が最終研磨後、右がそれをバフがけした状態です。

少しでも気を抜くと大きなミスにつながる緊張感あふれる工程ですが、

その分納得の行く仕上がりになった時の達成感がたまりません。

 

 

この「塗膜の仕上がり」には、

量産のギターとハンドメイド作品の差が大きく出ます。

左はこのギターの元のボディ。

Fender USAのアメリカンビンテージシリーズです。

元のボディは完成から数年経ったものですのでフェアな比較ではありませんが、

それでも蛍光灯が映り込んだ「像」の歪み具合の違いが

確認できますでしょうか?

 

量産ギターは時間が限られた中での機械作業が多い為、

どうしてもエッジの部分等の形状が甘くなり、

結果塗膜にも多く歪みが出ます。

 

私の研磨作業は全て手研磨ですので、

時間はかかりますが、その分しっかりした面を形成することが出来ます。

そうして仕上げた塗膜は本当に美しいです。

 

 

さぁ、ボディが美しく仕上がれば、

後は組込み作業。

今回はボディ意外は全てもの物を移植しますので、

いつも以上にスムーズです。

さぁ、またまた出てきました、

テレキャスタージャックカップの取り付け作業。

 

ご覧のとおり、

丸い穴に専用の四角いプレートを喰い込ませ取り付ける作業。

専用の工具を使います。

テレキャスターのジャック部分にしか使わない工具で、

他には使い道がありません。

ところがこの作業に関しては、この工具があるとないとで、

全く難易度が違います。

(なかなか文章では伝えづらいですが・・・)

おかげさまで2015年は、

なんと3回も!(基本テレキャスターを作っていない当工房でこれは快挙です)

この工具のお世話になりました。

 

あとは完成まで一気です。

左は最も嫌な作業。

ボディ裏の弦止めブッシュ用穴あけ。

精度高く美しく加工するために、

私は塗装後に穴あけをすることが多いのですが、

穴あけ時に塗料がチップすることもあり、

半分神頼みな作業です。

上手く行って良かった。

 

今回見えるところに当工房のロゴは入れられませんので、

ネックポケット内にこっそり?証拠残し。

得意のウッドバーニング・・・ではなくて、ハンコです。

 

残念ながら今回は、

ハンダごての出番は一切なし!

 

ネックを取り付けセットアップして

完成となりました。

Fender '72 Telecaster Thinline Mahogany

Fender社が1972年にリリースした

テレキャスターシンラインの2代目。

2発のワイドレンジハムバッカーピックアップが特徴的です。

 

そのほとんどはアッシュボディが採用されていますが、

73年前後のわずかな期間に限り、

マホガニーボディを採用したモデルが少数リリースされていました。

 

その後Fender社はこのモデルを復刻することは無く、

(Fender Japanは少し作った?)

今現在当時のモデルは非常に高値で取引がされています。

 

今回は、

現在Fender社がリリースしている

American Vintageシリーズ、

'72 Telecaster Thinline(アッシュボディ)をお持込いただき、

マホガニー製ボディのみ当工房が製作を担当させていただきました。

 

純粋に、楽しかったです。

どうもありがとうございました!

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ABOUT YOS

静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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