オーダーネックに交換

先日このブログでもちょっと触れた

マンチェスターUのGKダビド・デ・ヘアさん。

この夏のゴタゴタを振り返りましょう。


イングランドの名門チームから母国の名門チームに移籍志願


現チームの監督(こいつが相当性悪)に干され、ベンチにすら入れない


移籍成立直前に破談(その後両チームが公式にお互いの悪口を言いあうというみっともない事態)


現チームとあっさり契約更新して忠誠を誓う


アルゼンチン代表GKを差し置いて早速フル出場&大活躍



もう心臓強すぎです。

欧米人って、いったいどういうメンタリティをしているのでしょう。


うらやましい気もしますが、

日本社会じゃあきっと浮くんだろうなぁ・・・。




さぁ、

今日は珍しいカスタマイズのご依頼をご紹介します。

このギター、

元は国内の有名工房さんによる、

カスタムオーダーのストラトキャスタータイプ。


非常に綺麗な作りなんですが、

出来上がったそのサウンドに、

ご依頼主いたく困惑。


私もご相談を受けて聴かせていただきましたが、

とても癖のある音で、

高音域への寄り方が普通じゃあありません。


そもそも受けたご相談は

「なんでこんな音がするんでしょう?」

ってことだったのですが、

ギターにおいてそれほど難しい質問もありません。


ギターの音に影響する要因なんて、

そりゃあ隅から隅まで限りなく有りますが、

何かが科学的に解明されているものでもなく、

相手は自然の産物である木材ですので、

確定的なことなんてハッキリとは申し上げられません。


それでも、

これまでの経験を総動員して検討した結果、

ネックが悪さをしている可能性が高いのではとご進言させていただきました。

(今思うと、カスタムギター相手になかなか思い切った発言だったなと・・・)



それを受けてご依頼主、

このカスタムギター用の交換ネックををご注文いただき、

主にサウンドの改善を目指すこととなりました。

今回の最大の目的は、

ネックでギターのサウンドを変えることですので、

素材選びは重要でした。


工房ストックの中でも最も目の詰まったハードメイプル材を選出。

指板には、ローズウッド種の中では比重の高いホンジュラスローズを採用しました。


各部の寸法も元のネックのそれは踏襲せず、

ご依頼主の好みと、求めるサウンドを両立すべく、0.5mm単位で再設定。

ネックの仕込み寸法も変更し、

ブリッジに最適なテンションが加わるよう調整しました。


併せて、ピックガードのカラー等も変更しています。



その結果、

そのサウンドには明らかな改善が!


まったく迫力の無かった5,6弦にも

しっかりとした芯が現れ、

まったく違和感のないサウンドに仕上がりました。



ある程度の自信があったからこそ引き受けた仕事ではありましたが、

音を出す時にこれほどドキドキすることも珍しく、

音を聞いてこれだけホッとしたことも他に記憶にありません。

新たなネックには、当工房らしいテクノロジーも満載。


使い勝手の良い大型のスポークホイールロッドナットを採用し、

それに合わせボディ側にもキャビティを追加しています。

フレットはステンレス、

サイドポジはこのところ連発のLuminlayです。



このように、

特にエレキギターにおいては、

ネックがサウンドに与える影響はとても大きいです。


その素材選びと設計を間違えなければ、

完成時のサウンドも好みから大きく外れることは無いと思います。



誰かが言ってましたが

「ネックが良ければ良いギター」。


それが全てではありませんが、

決して間違いではないと再確認した、

今回のご依頼でした。



もちろんこのギターが

どこのメーカーのものかは明かせません。


これが日本人のメンタリティ。


デ・ヘアやファン・ハールの域に到達するのは難しいですね。


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ABOUT YOS

静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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