ニュープロジェクト始動

1pコアギター依頼、

あまり木に触れていなかった私。


そろそろ禁断症状が出始めましたので、

沢山削ってみました。


今日はギター作りの一番最初の作業をご紹介。

ホンジュラスマホガニー

今日取り出したのはご覧の通り、

お世辞にも綺麗とは言えない材。


ゴミ捨て場に置いてあっても、誰も拾わないと思います。


これ元々は長い1枚のフリッチ材だったのですが、

それをボディ材にするために、

2枚に切り分けたのが一番左です。


さぁ、この小汚い材が

どうギター材になっていくのか、

順を追ってみてみましょう。


まず凸凹の面片方を、

エコノミーサンダーと言う機械で

ざっと面だしします。

ベルト状の紙やすりがぐるぐる回ってる機械で、

ギター製作では最も使用頻度が高い機械です。


右側がアフター。

まだ鋸痕が残ってますが、とりあえずこれだけ面が出ればOK。


あ、ここでようやく判明。

ホンジュラスマホガニー材ですね。


一般的なイメージはもう少し茶褐色かもしれませんが、

削りたてはこんなに色が薄いです。

この後空気に触れると、少し色が濃くなります。


続いて、厚みを出していきます。

帯鋸盤(バンドソー)という機械で、

大まかに厚みを切り出します。


厚みのある材を長距離切りますので、

とにかく集中。

大きなミスをすると、銘木もゴミになりかねません。


無事切り出したら、

右写真の自動鉋盤(プレーナー)という機械で、

厚みを仕上げていきます。

これはまぁつまり、巨大電動お化け鉋ですね。


私はこの鋳物のプレーナーの外観が大好き。

ジブリ映画に出てきそうですね。

煙や蒸気は出ませんけど。


今後の反り等の可能性もありますので、

仕上がりより少し厚めに残します。

そしたら2枚の板の接着面を出し、

クランプで圧着します。


この接着面1つ取っても、

当工房は量産品よりはるかに高い精度を要求します。


そこまでして接着しないと、

「材にこだわってます!」なんて

恥ずかしくて言えませんからね。



同様にして、このホンジュラスマホガニー材と接着する

トップ材も製材。

こちらはメイプル材です。

表面の傷が荒いので、全然杢が見えませんが、

細かいカーリーがびっしりのハイグレードメイプルです。



マホガニーバックにカーリーメイプルトップ、

王道の匂いがプンプンしますね。


そうなんです。

次に手がけるモデルは、

Y.O.S.ギター工房初のセットネック構造、

しかもアーチトップモデルです。


この作品の為に新規で書き下ろしたデザインで、

私自身久しぶりのアーチトップにワクワクしております。


ネックももちろん、

ホンジュラスマホガニーですのよ。

こちらはご覧の通り、

四角く製材した後、

正確に罫書きをして、

その通りに削り出していきます。


当たり前なんですが、

正確な木工作業のためには、正確な罫書きがとにかく大事。

罫書きに使う筆記用具すら

書きやすさや線の太さ等で向き不向きがあり、

厳選して使っています。



そうこうして荒加工をすませたら、

この状態で少し寝かせ、

狂いを出します。



そんな感じで、

現在寝かせているネックはご覧の通り。


これから心臓部の加工に取り掛かっていきますよ。

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ABOUT YOS

静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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