緊張の力仕事

私は肩凝りがひどくなると

片頭痛が出ます。


昨日も

悪天候や花粉による鼻づまりもあり、

朝から頭が重い・・・。



そんな時は、汗をかくに限ります。


というわけで作業予定を変更し、

ハードな業務に臨むことにしました。


ホンジュラスマホガニーの

フリッチ材を製材します。

昨年の秋頃仕入れたホンジュラスマホガニー材。


いつもはギターサイズに製材されたものを仕入れることが多いのですが、

信頼している業者さまお勧めの良材だったこともあり、

フリッチ材(丸太から四角く切り出しただけの材)のまま入荷となりました。


つまりは製材代をケチったわけです。


まずはこれを帯鋸盤(バンドソー)で

切り分けていきます。


正直、製材に特化した機械が充実しているわけではないので、

足りない分は集中力と経験で補います。


今回の材は、総重量17kg程。

もちろん切っている間は

写真なんか取れません。


頭痛もいつのまにやらいなくなり、

明日(明後日か?)の筋肉痛も確定です。


写真中央はその後、

鉋盤(プレーナー)をかけ、表面をきれいにした状態。

ふと気が付くと、足元はとんでもない量の挽き粉であふれていました。


この挽き粉を触るだけでも、

カラカラに乾燥した良材であることが分かります。



今日はこれでやめておけば良いのに、

想像以上に挽き作業が上手く行ったので、

もう1枚の大物を製材することにしました。

こちらはお客様お持込の

ハワイアンコアトップ材。

なんとまぁ、ワンピースです。


こんな希少極まりない材を扱わせていただけることは

もう本当にありがたい限りです。


この材を、使用する厚みに調整したいのですが、

一筋縄では行きません。


このセレブ材、過去手がけたことが無いくらいすごい反り。



さんざん方法は悩みましたが、

そのままでは製材できませんので、

1週間程かけて水分とプレスで反りを矯正。


ある程度反りがおさまったので、

いよいよ厚みを削り出し。


ここから先は観察眼と経験がものを言います。


これだけ反りが出ていた材ですので、

厚みを削って行くごとに、

また新しい反りが出ます。


表裏どちらを削るかでも、

反りの方向が変わります。


3種類の機械を駆使して徐々に反りを取りながら厚みを出していき、

最後は写真中央、ドラムサンダーと言う機械で仕上げました。


5ミリ残るかなぁと思いながら作業を始めましたが、

最終的に6.5ミリほど取れました。


1時間以上かかりましたが、

こちらも会心の作業。


その後やはり反りは出ていますが、

もう厚みは整っているので、一安心です。


こうして、ワンピースコアトップ材と

そのバック材となるホンジュラスマホガニーの製材は

完了しました。

コアはあえて語るまでもありませんが、

このホンジュラスマホガニーも

実に素晴らしい材です。


まさにホンジュラスマホガニーの魅力が詰まった、

ホンマホらしいホンマホ。


この材はまだ

写真右側の大型サイズが残っています。


ここから切り出せば、

ネックとボディが全てフリッチマッチ(同一材からの切り出し)という

なんとも贅沢なギターが出来ますね。


右側のサイズは厚みも長さもあるため、

ホンマホワンピースのスルーネック材なんかも

取れちゃったりします。

それもまた贅沢ですね。




木材はこのように、切り手とその切り方で

大きく運命が変わってしまいます。


もちろんミスすれば、

貴重な材が木屑と化してしまうこともあり、

実は全作業で最も緊張する瞬間です。


上手く行って良かった!

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静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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