アコギは銘木の宝庫

楽器フェア2014も今日で閉幕。

私は一足先に静岡に戻り、業務再開です。


楽器フェアは3時間ほどしか滞在できませんでしたが、

元同僚や教え子等、多くの再会があり、

またたくさんの刺激もいただきました。

時間を割いてくださった方々、どうもありがとうございました。


実は楽器をゆっくり眺める時間は殆ど無く、

本当はこのブログでレポートでも、と思ってたのですが、

楽器の写真を一枚も撮ってません^^;

私にとっては「再会フェア」でした。

楽しかったから良いけどね。


とりあえず、S嶋先生、M本先生、

H先生との約束はちゃんと実行しましたよ。



相変わらず工房のリペアは

アコギが多いです。

私はエレキ同様、アコギももちろん大好きです。

その理由の一つはこれだ!

Headwayの30thモデルです
Headwayの30thモデルです

こちらは国産ハンドメイドメーカーの雄、

Headwayブランドの記念モデルです。

 

正面からの画像、一枚もありません。

ヘッド以外は、バック材とサイド材の写真です。

 

アコギに使われる木材、

トップのサウンドボードのほとんどは

スプルースのような針葉樹の柾目材が使われます。

もちろん綺麗ではありますが、

まぁ地味です。

もちろん、アコギサウンドにはそれが重要なんですけどね。

 

ところがサイドやバック材は、

比較的硬い木材が好まれるため、

ローズウッドを始めとする、

エキゾチックな木材が多く使われており、

私にとってはそれを眺めるのも、

大変な癒しの場になっております。

 

このモデルのサイドバック材は通好みの、

マダガスカルローズウッド単板!

 

特にかっちょええのは写真右上部分。

黒くハッキリしたライン(ブラックインクとか言われます)の中に、

「スパイダーウェブ」と呼ばれる蜘蛛の巣みたいな模様が混ざり、

このあたりがローズフェチにはたまらないポイントです。

ブラジリアンローズもこの杢が頻繁に出現します。

 

このブラックインクやスパイダーウェブは、

インドローズやホンジュラスローズには

ほとんど見られませんので、

ローズの種類を見分ける一つのポイントになります。

 

ローズではほかにココボロに出ますが、

色味はもっと鮮やかで、赤味が強く出ます。

マメ科以外ではジリコテ(シャム柿)でも

似たような杢が出ますが、

あちらはもっとあからさまな感じ。

 

やはりブラジリアンローズに最も似ているのは

サウンド面含めて、

マダガスカルローズが一番です。

 

いやぁ、ローズを語ると長いですね。

 

 

ちなみにこのモデルの木材は

一般的に「単板」と呼ばれる一枚板が使われています。

単板は厚みが必要なためやや高価で、

尚且つ割れ等のトラブルも多いため、

近年は複数の薄い板を張り合わされた

「合板」を用いたモデルも増えてきました。


単板のモデルは素材がやや高価なため、

製品も高級なものが多いですが、

合板は強度に優れ、かつサウンドも単板には無いものですので、

優劣が付けられるものではありません。


見分け方は比較的簡単です。

単板の特徴
単板の特徴

この写真はバック材の同じ部分を

バック面からと、サウンドホールの中から撮影しました。

木目が同じですね。

これはもう間違いなく単板、ということになります。


合板でしたらほぼ間違いなく、

表と裏の木目は異なりますので、

観察してみると面白いです。



アコースティックギターの多くは

無着色で仕上げられますので、

木材の美しさがよりハッキリと確認出来ます。


アコギをお持ちの方は、

是非じっくりと眺めて、自然の神秘を楽しんでみてください。



あ、もう一本、

スゴイ木目のやつ、預かってました。

カーリーメイプルのサイドバックが完全ナチュラルフィニッシュ。ぐれーと
カーリーメイプルのサイドバックが完全ナチュラルフィニッシュ。ぐれーと

さすがTaylor。

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カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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