サーモウッド考察

先日、

オーダーメイドのご注文を頂いたお客様にご来店いただき、

当工房の自慢のストック材の中から、

実際に使用する材料を選定していただきました。


外見もサウンドも、

仕上がってみないとわからない部分も多く、

選定は大変な作業ですが、

その分その楽器に対する想いもきっと深くなります。


もちろん、こちらの責任も重大。

良い楽器に仕上げさせていただきます!



そんな感じで、

当工房のストックは

ブラジリアンローズやバーズアイメイプル等、

希少材も多く取り揃えていますが、

個人的に注目している木材が

他にもあるんです。


と言うわけで今日は、

「サーモウッド」のご紹介。

左:バーズアイメイプルとホワイトアッシュ    右:サーモウッドのバーズアイメイプルとホワイトアッシュ
左:バーズアイメイプルとホワイトアッシュ    右:サーモウッドのバーズアイメイプルとホワイトアッシュ

上の写真、左右で同じ種類木を撮っています。

全く色が違いますね。


左はふつうのアッシュとメイプル。

右が「サーモウッド」加工をされたアッシュとメイプルです。


元は建築用の技術で、フィンランド生まれだそうです。

木材に特殊な高温処理を加えることで、

木材の芯までこんがりとローストします。


結果、写真右の様に茶褐色の色味になります。

焼き加減で色味はどんどん濃くなります。

もちろん表面だけではなく、芯までこんがり。

削っても削っても同じ色です。


サーモウッドの特徴を上げてみると、

あまりに楽器用材に向いていて驚きます。

・含水率の低下 ⇒ 乾いて良く響く木材になります
・吸水性の低下 ⇒ 寸法が安定し湿度の影響等を受けにくくなります
・材重が5~15%減少する ⇒ 軽量で扱いやすい材になります

・ヤニがなくなる ⇒ 塗料の食いつきが良くなります


素晴らしいですね。

これらの特徴はつまり、

「古材」と同じような状態と言えます。

よく弾きこまれたビンテージギターが

新品には無い響きを持っているのは、

木材自体の性質の変化も多分に影響しています。


サーモウッド技術は、

それに近い状態を人工的に作り出す技術と言えるでしょう。


そのサーモウッドを使った楽器、

やはり良くも悪くも、鳴ります。

新品状態でも、

「弾きこんだギターです」感まで出してきます。


そんなサウンドが好きな方は

是非一度体験してみてください!



サーモウッド、

仕上げてみると、

外見はこんな感じです。

サーモウッドそのものの色です。
サーモウッドそのものの色です。

写真上は、

当工房のセミオーダーベース「Unity Bass」です。

これはプロトタイプで、

サーモアッシュボディに、サーモメイプルネックの組み合わせ。


写真下は先日完成したばかりの

セミオーダーギター「Stellar」の1stモデルですね。

ネックにサーモメイプルを使用しています。


これら、まったく色を付けていません。

つまり、透明な塗料を乗せ、グロス仕上げしただけです。

とても重厚なナチュラルカラー、とても素敵です。

(こちらも色に悩む必要が無く、楽とも言えます!)


マット仕上げやセミグロス仕上げ、シンフィニッシュでも

絶対にカッコいいと思います。



実は私、

もう一点、

サーモウッドの素晴らしいところ見つけました。


木材を削って行くと、

思わぬところに節やシミが出てきてしまうことがあります。

個人的な感覚としては

自然のものですから、出てきて当たりまえ。

機能的に問題が出なければ、むしろ個性として扱いたいところです。


ところがやはり見栄えは多少悪くなるため、

それをはじいてしまうメーカーも少なくありません。

はじかれた木材は、当然楽器にはなりません。

廃棄のものもあるでしょう。

もったいない。



ところがサーモウッドだったらどうでしょう?

多少のシミはまず見えません。

小さな目節もほとんど目立たないでしょう。

つまり、

これまでははじかれてしまった木材も

しっかりと有効活用できるということになります。



これは、木材の有効利用という観点からも

素晴らしい技術と言えます。




これらすべてを踏まえ、

Y.O.S.ギター工房はこれからも

サーモウッドも積極的に使っていきたいと思います。


実は加工中のチップなんかも多く、

すごく気を遣わなければならない材なんですが・・・TT



現在工房のサーモウッドストックは、

・ハードメイプル(ネック用)

・バーズアイメイプル(ネック用)

・ハードメイプル(レスポールタイプボディトップ用)

・ホワイトアッシュ(ボディ用)

を扱っております。

お気軽にお問い合わせ下さい!

コメントをお書きください

コメント: 4
  • #1

    ラボ (月曜日, 20 7月 2015 15:22)

    初めまして、新たなギターの購入を考えているのですが、最近サーモウッドの色に惚れました

    サーモウッド加工をするとやはり値段は上がってしまいますか?

  • #2

    Y.O.S.吉田 (月曜日, 20 7月 2015 15:46)

    ラボさん初めまして!コメントありがとうございます。
    サーモウッドのカラー、カッコいいですよね。
    当工房が取り扱うサーモウッドは、すでに海外でサーモウッド加工されたものを購入しています。
    サーモウッドの技術は海外の方がかなり進んでいて、
    日本国内で加工できるところはかなり少ないんです。
    当工房だけでなく、国内のほとんどはそうだと思います。
    ちょっと話が逸れましたが、つまりお値段的には
    仕入れ値が普通の木より高い分、高くなってしまいます。
    これはプレーンなものより、カーリーメイプルやバーズアイメイプルの方が顕著です。

  • #3

    taro (水曜日, 04 11月 2015 23:05)

    はじめまして!
    画像にあるサーモウッド加工したホワイトアッシュの通常のものと比較して変わっているところを教えてください。
    音や重さなど気になります!

  • #4

    Y.O.S.吉田 (木曜日, 05 11月 2015 09:33)

    taroさんはじめまして。
    サーモウッドホワイトアッシュ、やはりホワイトアッシュとしてはやや軽く感じます(それでも十分重たいですが)。
    サウンド的には、一般的なホワイトアッシュに、にぎやかな倍音が加わった感じがします。重たいけど振動性が良い材、というイメージですね。
    デメリットとしては加工難易度が高く、複雑な形状の加工はなかなか大変です。

1 日本国内への配送に適用されます。その他の国についてはこちらをご参照ください
2 税抜価格

pagetop

ABOUT YOS

静岡県島田市のギター工房です。
カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

MORE