カスタマイズいろいろ

先週は工房に

次々と重症のギターが運び込まれました。

ネック折れや、アコギのトップ割れ、ブレイシング剥がれ等等。


これから乾燥の厳しい季節がやってきます。

薄く長いエレキネックや、

アコギには特に厳しいシーズン。

楽器の管理にはお気を付け下さい。



そんななか今日は、

最近こちらも増えてきました、カスタマイズのご依頼をご紹介。


世の中楽器はたくさんありますが、

これだけカスタマイズ自由な楽器はギター以外ありません。


お気に入りの楽器、

でもどこか物足りなさを感じているあなた、

是非お気軽にご相談ください。


まずはサウンド面の変化が特に大きい、

ピックアップやサーキットのカスタマイズです。

こちらはヤマハの5弦ベース(元画像取り忘れ)。

いろいろご検討いただいた結果、

ピックアップからジャックまで、

総交換となりました。


もともとは

ヤマハ社製パッシブピックアップに、

アクティブ3バンドEQ回路が搭載されていたこのモデル。


それをEMG社のアクティブP.U.に交換し、

3バンドEQ回路を撤去したい、というご依頼です。


まず問題は、

もともとのヤマハ社のピックアップのサイズ。

一般的な5弦ベースピックアップサイズよりも

かなりワイドな作りです。


オーナー様ご希望のEMG社5弦ベースピックアップでは

ボディキャビティに大きなあまりが出てしまいます。

もちろん広いキャビティを埋めて塗装で・・・・

というカスタマイズも可能ですが、

それでは納期もぶっちぎり、

加工賃も大分かかってしまいます。

そこで今回はウルトラC(死語)の対応をさせていただきました。


画像の通り新たに取り付けたのは、

なんとEMG社の6弦ベース用ピックアップ。

多少サイズに余裕はありますが、

キャビティに追加工をすることなく交換出来ました。


もう一つの問題は

もともと空いてしまっている

3バンドEQの穴をどうするか。

そこは

パッシブトーン、

リアP.U.のタップスイッチ、

そしてもともとのサイドジャックを

トップジャックに変更することで対応しました。


近年のEMGピックアップは

ソルダーレスのコネクタ方式による配線を前提としており、

今回の配線には完全に対応しきれません。

そこで一部はコネクタをバラし、

サーキットを解析しながらの配線作業となりました。

特に、通常のパッシブピックアップとはまるで違う

タップスイッチの配線はなかなか苦労しました。

5芯シールド+電源のハムバッキングって、

中の回路どうなってんだろ・・・。



結果、外見もサウンドも、

元のイメージから大分変わり、

ノイズレス且つクリアな

ハイエンドベースに生まれ変わりました。


元の基板にはまったく手を付けていないので、

もとに戻す場合も簡単ですね。



続いてはもう、

別の楽器になっちゃったパターン。

ESP社のブランドの1つ、Navigatorのプレべタイプです。

80年代のジャパンビンテージですね。

このベースには珍しく、フレットレスなモデルです。


私のところに来たときには、

さらに前オーナーの手により、

ピックガードの形状変更と、

リアP.U.の増設、コントロールの拡張が行われておりました。


これを、トラッドな外見に戻しつつ、

さらにフレットレス⇒フレッテドにするというご依頼。


フレットレス⇒フレッテドのカスタマイズは

とても難易度が高く、

加工が厳しいものもありますが、

今回のモデルは合格。

フレットポジションを正確に割出し、

手加工で対応しました。


ピックガードの交換も、

元のものと同じ形状であれば

比較的容易なのですが、

今回は全く異なる形状に変更。


プレべタイプと言っても、

フェンダー社のものとは異なりますので、

このモデル専用に型を1から起こし、

製作する作業となりました。


プレべタイプはピックガードのサイズが大きく、

ネックやピックアップ部、外周ラインと

合わせなければいけないところが大きい割に、

コントロールキャビティサイズはぎりぎりで、

その全てをぴたっと合わせなければなりません。

ピックガード製作の難易度は最高レベルです。


ただし、

そこはいっつも

ピックガードが載ってるモデルばっかり作ってる

私の本領発揮な部分。

様々なテクニックを駆使し、

多分もともと乗っていたものより

精度が高いであろうものを

しっかり製作させていただきました。


併せて、

フロントピックアップと

ブリッジ、ナットも交換。

全体的にセットアップを施し、

作業完了です。


このベースのボディ材、

80年代の国産楽器で良く見る

セン材を用いています。

アッシュと見た目は似ていますが、

正直あまり鳴りが良く無い印象でした。


ただこのベース、

結果的にすごーい良い音。

軽く指で弦をはじくだけで、

ポンッと音が前に出てくれます。

弾いていてストレスの無いベースです。


載っている塗料が極薄で、

センはそのような使い方が

合っているのかもしれませんね。

勉強になりました。


外見も、よりトラッドな印象に変わり、

即戦力なベースになってくれました。

納品の翌日が早速バンド練習であるらしく、

何とか間に合ってよかったです。




今回は比較的大がかりなカスタマイズ例をご紹介しました。


どちらも根本にあるのは、

オーナー様のその楽器に対する想いであり、

作業的にもこちらの様々な見識や応用力が問われ、

カスタマイズはいつも刺激的です。

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コメント: 2
  • #1

    齋藤 (月曜日, 27 10月 2014 01:32)

    イー感じで仕事、集まっていますね!
    信用がだんだん形になっている証拠ですよ!
    EMGは確かボールピースがバータイプですよね、「逆転の発想」まさに、そのものです!
    仕事の都合でなかなか工房の方におじゃまできませんが、がんばってください!
    陰ながら応援しております。

  • #2

    Y.O.S.ギター工房 (月曜日, 27 10月 2014 23:02)

    ありがとうございます。この仕事、パーツの知識はあればあるほど役に立ちますので、新しく目にしたものは出来るだけ細部まで観察する癖が付いちゃってます。こういった形でそれが役に立つと、内心すごくうれしいです^^

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カスタムオーダーギター・ベースの製作、リペアとカスタマイズ、オリジナルエフェクターなどの設計・製作をしています。

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